身体の芯から冷えて手がかじかむような冬の夜。そんな冬に空を見上げると白色と橙色にかがやく明るい星が2つ並んでいます。
これらは兄弟星のカストルとポルックスと言って、ふたご座を形成する星となっています。
誕生日が5/21~6/21の方は双子座です。
ふたご座のデータと見つけ方
ふたご座のデータ
学名: Gemini
誕生日: 5/21~6/21
種類: 黄道12星座・トレミーの48星座
20時正中:3月3日
正中高度:77度
面積: 514平方度(順位30位)
設定者: プトレマイオス
主な恒星数:8
主星: ポルックス(光年1.1等、橙色、地球との約距離34光年)
ふたご座の見つけ方
1番分かりやすいのは、「冬の大三角の上(北)にある」という覚え方です。こいぬ座のプロキオンとオリオン座のペテルギウスを線上で結んだ上方に位置します。もしくはぎょしゃ座のカペラのこぶし2.5個分左と覚えましょう。
ふたご座の物語

Castor and Pollux, the Heavenly Twinsby Giovanni Battista Cipriani, 1783
カストルとポルックスは、彼らはふたりで「ディオスクリ」として知られ、ローマでは「ジェミニ」と呼ばれています。
スパルタの王ティンダレウスの妻であるレダは、ハクチョウに変身した大神ゼウスに誘惑され、4人の子供を産みます。その4人が、カストル・ポルックス・クリテムネストラ・ヘレンです。ヘレンはトロイアの王子パリスと駆け落ちしたことで有名です。このことが「ヘレニズム」の起源となりました。
さて、双子の話に戻ります。兄のカストルは生身のふつうの人間で乗馬の達人、弟のポルックスは不死身でボクシングの名手でした。カストルが生身の人間であったのは、ゼウスの子ではなく人間であるティンダレウスの子であったからという説もあります。
2人は互いに助け合う仲の良い兄弟でしたが、悲劇的な神話があります。
ある日、2人は従兄弟のイーダスとリュンケウス兄弟と牛の群れを捕まえに出かけました。しかし、イーダスとリュンケウスは二人を言葉巧みにだまし、牛を横取りしてしまいました。(イーダスとリュンケウスがそうしたのは、カストルとポルックスが彼らの妻に手を出したからだと言われています。)
その後、牛を奪い返しにやってきたカストルは弓矢で撃たれてしまいます。ポルックスはカストルの仇をうちましたが、不死身のため死んであの世にいくことはできません。
嘆きかなしむボルックスを見て、その深い兄弟愛に心を打たれたのがゼウスでした。ゼウスは、ポルックスを天上(オリンポス)に連れていき神の一員にしようとします。
しかし、ボルックスは兄と一緒にいたかったためそれを拒否。そのためゼウスはポルックスの不死能力を半分、カストルに分け与えました。
そして2人を1日ごとに天上界とあの世で暮らすことにさせました。
ゼウスはこの双子の姿を友愛のしるしとして星空にあげ、それがふたご座となったと言います。
ふたご座で知っておくと良いこと
毎年12月14日~15日、ふたご座流星群を見ることができます。カストルの近くに輻射点があり、1時間あたりに30~60個の流星を見ることができます。この頃、ふたご座は日暮れごろから東の空に昇り、明け方に西の空へ回るので、ほぼひと晩中見ることができます。
また、ふたご座は3月3日によく見えることから、日本では「ひなまつり星」と呼ばれることがあります。